八方尾根から扇沢まで (最終日)
〜由李子と五竜・鹿島槍縦走〜


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山行日程 2007年8月5日(日)〜7日(火)
天  候 1日目:曇り 2日目:快晴 3日目:晴れ

 昨日は好天候に恵まれすばらしい尾根歩きを堪能しました。
 さて、今日はどうでしょう。早朝4時頃になりますとにわかに小屋の中が騒がしくなります・・・
 こちらはゆっくりと寝てからの出発を考えていたのですが、やはり小屋泊まりではマナーを知らない人が多いですね。特に年配の女性をメンバーとしたグループは他の人のことも考えずにキャッキャ!キャッキャ!と大騒ぎです・・・(;_;)
 朝食の1組目の時間は5時で、2組目は5時半です。ですから、ほとんどの人が起きて話をしています。仕方なくこちらも起きて出発の支度をします。昨日就寝前に全て整えているので枕もとの荷物をパッキングするだけです。
 寝ている由李子には可哀想ですが起きてもらって出発することにしました。
 昼食用にと頼んでおいた弁当は昨夜にいただいています。お願いしたときに「うなぎ弁当」だと聞いておりましたがどんな弁当でしょうか?見たいのをガマンして二人ともワクワクです。
 朝早かったので、昼食用にとお願いしたお弁当を朝ご飯にして、まず行動食で簡単にエネルギー補給をしました。
 今日の天気も良いようです。剣岳が良く見えています。
 5時45分に出発、今日はいきなり八峰キレットに突入です!


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「小屋前にて」 「剣岳が良く見えています」 「いざ八峰キレットへ!」

 さあ、いよいよ今回の縦走のメインである八峰キレットにやってきました。ここの記憶は鮮明に残っていたので、「由李子にはどうかなぁ・・・」と思い、「ザイル付ける?」と聞きますと、「うん・・・」と言うので由李子に安全ベルトを巻いてザイルをカラビナで繋ぎました。こうなるのは私の予定通りでした。
 ザイルを付けると安心したのか、由李子はスルスルとキレットを抜けていきます!何だか気が抜けてしまいました・・・
 この後は鹿島槍ヶ岳北峰を目指します。


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「いよいよキレット核心部」 「下りの梯子」 「キレットを振り返る」

 八峰キレットを通過してしまいますと危険なところは無くなります。
 振り返りますと昨日歩いた五龍岳からの尾根が見えています。今日も快晴です。
 これからは、ただひたすら登らなければなりません。長い登りの先に鹿島槍ヶ岳北峰が見えています。
 由李子は目標物が見えているためか何も言わないで黙々と登っていきます。あれよあれよという間に鹿島槍ヶ岳北峰に登る分岐に到着です。ここにザックをデポして空身で北峰に登ります。


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「振り返れば五竜岳」 「鹿島槍ヶ岳北峯を目指して」 「分岐に到着」

 鹿島槍ヶ岳北峰までの登りは15分で、あっという間に到着です。
 今日も快晴です!特徴のある槍ヶ岳がよく見えています。槍ヶ岳の左に穂高連峰、槍ヶ岳の右手には双六岳、三又蓮華岳、黒部五郎岳、鷲羽岳が見えています。この後鹿島槍ヶ岳南峰に登りますがそれはそれは大絶景のことでしょう!
 「昼の雲 船のさまして動かざる 鹿島槍てふ 藍の山かな」(三好達治)「この山は信州川から見るのがよく、越中側からでは、例えば立山連峰から眺めては、やや精彩を欠く。魅力的な吊尾根が間延びしてしまう。信州側からはどこから見てもいいが、殊に印象的だったのは、糸魚川街道の湖のほとりを歩いていて、湖水の向うを仕切る前山の上に、二つの槍がスックと頭をもたげているのを見つけた時だった。或いは、五竜岳の頂に立って、深い谷を距てたすぐ真向かいに、流れ行く薄雲の合間に隠見する吊尾根を望んだ時だった。ああいう構図は、どんな天才的な画家でも思いつくまい。」(深田久弥「日本百名山」より)


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「鹿島槍ヶ岳北峰から」

 北峰での時間はそこそこに南峰を目指します。今南峰までの登りも急な登りです。でも、頂上での景色とお弁当を食べる楽しみで足はどんどん進んで生きます。
 そして、鹿島槍ヶ岳南峰到着です。
 ところが・・・にわかに富山県側から沸いて出てくるガスのために絶景とは行かなくなってしまっています。ほんの数十分の差で大パノラマを見損ねてしまいました。
 しかし、こういうことは山登りでは日常茶飯事です。景色はあきらめて、楽しみの「うなぎ弁当」を食べることにしました。
 あけてびっくり!何とまぁおいしそうなお弁当でしょう。ボリュームもたっぷりです。小屋の朝食が何だったのかは知りませんが、断然こちらがおいしいに決まっています。付き合せに卵スープを作りました
 由李子はニコニコしながら食べています。その間にガスが晴れて立山連峰が見えましたが、なぜか剣岳の前にガスが停滞し動きません・・・


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「鹿島槍ヶ岳南峰を目指して!」 「鹿島槍ヶ岳南峰頂上」 「うなぎ弁当」

 十分な休憩とチャージをして、また景色を堪能していよいよ下山することにしました。
 キレット小屋からの出発が早かったので、このペースで行けば今日中に下山し最終バスに間に合うかもしれません。とりあえずどうするかは種池山荘に到着した時間で決めることにして冷池山荘を目指します。
 由李子に「この後の下りはルンルンだよ!」と話しながら下山を始めますと、「ほんとうだぁ!ルンルンだぁ!!こんな道大好きだな!!!」とにっこりします。途中振り返ると鹿島槍ヶ岳南峰からのルートがきれいに見えました。


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「立山連峰をバックに」 「鹿島槍からの下り」 「鹿島槍ヶ岳南峰を振り返る」

 尾根歩きは下りばかりではありません。再び登りがやってきました。布引山への登りです。
 布引山を目指していると西側の斜面に雷鳥の親子が現れました。今回はじめてみる雷鳥です。ちょっと遠いので写真でははっきり写りそうにありませんので写真はあきらめ、雷鳥親子の動きを観察し小休止をしました。
 雷鳥の親子に別れを告げて布引山を目指します。
 しばらく登りますと布引山頂上に到着しました。
 立山連峰を見ますと相変わらず剣岳の前に停滞するガスが正面を隠していました。


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「布引山を目指して!」 「布引山頂上」 「剣岳を隠すガス」

 さぁ!おいしいビールを求めて冷池山荘を目指します。稜線の先に冷池山荘が見えています。由李子が「ビール!ビール!」と自分が飲むのでもないのに掛け声を掛けながら下っていきます。
 しばらく下ると山荘手前15分のところのテント場にやってきました。すでに二張り張ってあります
 実はここでテントを張るか、種池山荘で張るか迷っていたのですが、由李子に「テント場の場所は良くて大町市の夜景とかきれいに見えるんだけど、山荘まで15分だから夜にトイレに行くの辛いよ!」と話していたので、「う〜ん・・・これは厳しいなぁ・・・種池にしよう!」と由李子が言い、種池山荘に決定です。
 テント場から歩いて15分で冷池山荘に到着です。


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「冷池山荘に到着」 「おいしいビールを・・・」 「おいしいジュースを・・・」

 さぁ、あとは種池山荘を目指します。冷池山荘からの樹林帯を少し歩いて抜けますと次を目指すピーク爺ヶ岳中峰が見えました。爺ヶ岳中峰は昨年登り損ねているので今回は必ず登らなければなりません。
 登りながら振り返ると樹林帯の中に冷池山荘の屋根が見えました。また遥か前方を見ますと稜線上にくっきりと種池山荘が見えます。次に目指す目的地が見えているので由李子は何も言いません。
 今回の縦走も終わりかけているので、由李子と今回の山行の話をしながら歩いていますと爺ヶ岳中峰に到着です。


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「冷池山荘を振り返る」 「爺ヶ岳への登り」 「爺ヶ岳中峰頂上」

 いよいよ最後の目的地である種池山荘を目指します。
 種池山荘は稜線上に見えていますので近く感じますがまだまだあります。でも救いなのはもう登りがほとんど無いということです。このことは由李子にとって非常にありがたいようで元気を取り戻して機嫌よく歩いています。振り返りますと今日歩いて来た尾根が延々と続いていました。
 小屋はもうすぐのところに来たとき、チングルマのお花畑に雷鳥の親子を発見!4メートルほど離れたところです。
 カメラを向けますが、やはりカメラには小さく写りいまいちです。しばらく観察しますがダメなので小屋に向かいビールを飲むことにします。由李子はアイスクリームを食べました。
 ここで、山梨県在住の「かわうそ山岳会」のご夫婦と席を一緒にして小宴会をしました。
 アイスクリームを終えた由李子が突然「諦めきれないのでもう一度行ってくる!」と雷鳥を見に走って行きました。


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「今日歩いてきた道を振り返る」 「種池山荘が見えた」 「ひと時の宴会」

 かわうそ山岳会の方としばらく話していると、「おとうさん、おとうさん!カメラ、カメラ!!ものすごく近くにいる!!!」と叫びながら帰ってきて、カメラを持つとあっという間に消えていなくなりました。
 十数分後ニコニコしながら由李子が帰ってきました
 「諦めないでよかったぁ!!」たいそうご満悦です。写真の出来映えはどうでしょうか?


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「お花畑の親鳥」 「あっ!ヒナも!」 「かわいいヒナ!」

 時計を見ますと13時50分です。このまま柏原新道を下ればバスに間に合います。でも、久保田荘には一日早く帰ると連絡しないといけません。そこで、携帯を見ると圏外です・・・
 ところが!「あっ!電波立ってる!」と由李子が言います。「ニセ電波だろ!」「いや違う!だってさっき友達からのメイルが入ったもん」といいます。そこで由李子の携帯で電話を掛けますと繋がりました・・・
 本日、下山決定です。
 柏原新道下山は危険なところはありませんが、結構標高を一気に下げるので足への負担が掛かります。ゆっくりと確実に下山します。途中扇沢の駐車場が見えました。
 いよいよ今回の縦走も終わりです・・・
 15時45分出合に到着し八方からの縦走が終わりました。
 GPSを見てみますと歩行距離は42Kmでした。まぁよく歩いたものです。


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「柏原新道を下る」 「扇沢の駐車場が見えた!」 「出合到着」

 夏山が無事に終わりました・・・
 今回は、台風5号の影響で不本意にも日程をずらすことにしましたが、結果的に天候にも恵まれ、雄大な山並み、美しい高山植物、雷鳥などなどとてもも楽しい山行になり大満足の山行でした。
 さて、由李子はいつまで一緒に歩いてくれるでしょうか?
 終わりかけの頃「このコースなら、もう一度歩きたいなぁ・・・」といっていました。
 親孝行な子供です。

 最後に笑い話をひとつ・・・
 無事大町駅について電車に乗り込み由李子と色々と話をしていると、「この電車は、×時○分、穂高、豊科方面行きです」のアナウンス。「えっ!小谷行きじゃないの!」と思ってホームに出ると白馬方面に向かって電車が出て行ってました・・・
 最後の最後に大きなドジを踏んでしまいました(;_;)
 そこで、久保田荘のおばさんに電話したら快く迎えに来てくださりました。有難うございます。


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