宍粟市 戸倉峠〜三室山縦走

三室山

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山 行 日 程 2008年4月6日(日)
天   候 快晴
同 行 者 OAPさん

 先週は、遠い山である東山(とうせん)に登ったが、なごり雪のおかげで樹氷が見れた。そのときに思ったことは、「もう雪の山は終わりだな・・・」だった。OAPさんとも、次週からは花を探しての山歩きになるとも話していた。ところが、金曜日になって「戸倉峠から三室山まで縦走する」というメイルがOAPさんから入った。
 
 「戸倉峠〜三室山」のルートは中央分水嶺で、稜線距離は約13kmである。その稜線はチシマ笹の藪が半分以上を占めると思われ、雪が笹を押さえ付けているときにしか歩けない。かといって、積雪が多い時期では距離が長く、ラッセルが必要、日照時間も短いので1日で歩くには無理である。
 このルートを1日で縦走するには、雪の質と日照時間を考えて計画しないと大変な山行になってしまう。このルートのエスケープルートとしては、赤谷の頭(落折山)から戸倉スキー場に下るか、波左利山から南に下り音水川渓谷の林道を歩くしかなく、それを過ぎると三室山まで行くか、引き返すかである。エスケープルートといっても、赤谷の頭(落折山)からスキー場への下山は簡単であるが、波左利山から音水渓谷にエスケイプした場合は、8kmの林道歩きを強いられる。
 
 朝、宍粟市山崎町でOAPさんと合流し、JMMさんに戸倉トンネルまで送ってもらう。戸倉峠への旧道は除雪してないので、新戸倉トンネル横から歩き始める。時刻は丁度8時。
 ここの所、暖かい日や雨降りがあって雪もずいぶんと溶けたと推測され、とりあえず赤谷の頭(落折山)まで行って雪の状態を確認して縦走するかどうかの判断をすることにして、戸倉峠に向かう。やはり夜は冷え込むようで溶けた雪が凍っている。この分なら雪も残っているかもしれない。
 30分ほど歩くと戸倉峠に到着した。斜面には雪があるものの杉の木の根元には雪がないように見えたので、スノーシューをザックにくくりつけて歩くことにした。OAPさんは、履いて歩くほうが良いとの事でスノーシューでの歩きである。
 稜線に出てしばらく歩いていると雪が途切れ途切れになっててきたが、OAPさんはお構いなく歩いている。ここのところスノーシューでの山歩きばかりだったので、登山靴での歩きがとても新鮮で歩きやすく感じる。
 戸倉峠から約30分で目印のカツラの木を通過する。この辺りからぶなやミズナラの大木が現れ、気持ちが和む。雪があるので昨年登ったときとかなり雰囲気が違う。自然林を楽しみながら歩いていると、気が付いたら赤谷の頭(落折山)に到着。戸倉峠からわずか95分で登ってきてしまった。
 前回は、天候に恵まれずガスの中であったが、今日は快晴だ。北を見れば真っ白に雪を被った氷ノ山が良く見えている。南西方向を見れば、今日の目的地の三室山がはるか遠くに見えている。二人とも「遠いなぁ・・・」と思わずこぼれる。


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「目印のカツラの木」 「気持ちの良い稜線」 「赤谷の頭(落折山)到着」

 さて、これからどうするかである。赤谷の頭(落折山)頂上にはたっぷりと雪があり、これから歩く稜線を目で追ってみると白いので雪はありそうだ。でも、標高が低いところは雪が残っているかどうかもわからない。ただ、日当たりが悪いところは雪解けが遅いようで結構残っているみたいだ。とりあえず行けそうなので、思い切って決行することにする。
 少し稜線を歩くと戸倉スキー場に下る稜線との分岐だ。ここを今日は右に曲がる。「これからは未知の世界や!」とOAPさん。時刻は10時、日没までにはまだまだたっぷりと時間はある。ここから約100m程下って行くが、早速笹薮が起きている。部分的に雪が残っているところがありそこを選んで下っていく。しかし、横になった笹の上の雪の層が薄いところもあり、ズリッと滑ってこけそうになる。ところどころ起きた笹の中を泳いだりしながら進んでいく。
 最低鞍部に着くと笹はなくなりこれからの登りは自然林となった。登り返しながら振り返れば赤谷の頭(落折山)のすっきりとした頂が見える。登りが終わりかけてふと左を見ると大きな杉の自然木が立っていて、枝っぷりが見事である。
 ここから再び下っていく。今日の赤谷の頭(落折山)から三室までの稜線は、100から130m程度の標高差を4回下っては登り返す。そして最後は、三室山の頂上に向けて300m登り返すのである。と、OAPさんが言っているのを聞いてゾッとする。
 大きな杉に別れを告げて次の目的地である波左利山を目指す。
 稜線を歩いていると雪の状態が明確にわかってきた。わずか100m程度であるが、高度が下がれば雪は少なくなり稜線上は笹が現れてくる。しかし、稜線の南側にせり出した雪庇の名残があり、そこを歩けば問題はない。ところどころ雪庇がないところもあり、そこは辛抱して笹薮を泳ぐ。
 赤谷の頭(落折山)からほぼ2時間で波左利山への分岐に到着。波左利山は、稜線から南に50mのところにある。OAPさんは、昨年わーさんと登っておられるので私一人で行く。OAPさんは、笠杉山移動のIXWさん、青葉山移動のIRCさんと無線で交信中だ。
 時刻も丁度12時なので氷ノ山が見えるところで昼食を取る。今日はじめてのゆっくりとした休憩です。


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「大きな杉の自然木」 「こんな笹薮も・・・」 「波左利山(1191.6m)」

 昼食休憩を終えて時刻は12時40分。今日の行程の半分までやってきた。歩行時間は、戸倉峠を出発して4時間。単純に考えれば残りも4時間であるが・・・
 これから目指すのは1202ピークだが、なんと140mほど下って160mほど登り返さなければならない。なんともったいないことか!休憩の後でもあり、考えるだけで疲れが出てくる。「戻るわけにはいかないので、行くしかない・・・」とOAPさん。
 今日の天気は快晴で気温も少し高く、標高が1000mを超えた稜線を歩いているが汗を結構かいている。のどの渇きがちょっと気になるところだ。
 これからの稜線も今までと同じように、標高が上がれば自然林の稜線であるが、少し下がると笹の稜線になったりと、めまぐるしく入れ替わる。自然林の稜線での歩行は問題ないが、笹が現れてくると雪を探しながら歩かなければならない。稜線の南側の雪庇を歩いたり、北側斜面の残雪の上を歩いたりしながら1202ピーク手前の鞍部にやってきた。
 「あれを登り返すのか・・・」思わず二人ともつぶやいている。でも、OAPさんは笑っているので余裕だ。私は少し疲れがたまってきているようだ。背中にくくりつけたスノーシューが恨めしい・・・
 この登り返しは大変だった。しばらくは笹薮だ。雪庇があるところは良いが、ないところは笹の中を泳ぐ。笹は進行方向とは逆に傾いているので泳ぐのにも一苦労だ。笹薮を抜けるとホッとするが疲れがドッと出てくる。「やはり残雪のときしか駄目ですねぇ〜」と話しながらやっとの思いでピークに到着。
 さて、これから最後の下りと最後の登りである。そう、今日最大の登り返しが待っているのだ。
 三室山を見ながら下っているとその左側には竹呂山が見えた。そしてその左奥にはゆったりとした植松山が見える。
 下りは楽チンだ。足がスイスイ出て行く。気持ちの良い林の中を抜けると最後の登りの稜線が見えた・・・


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「1202mピーク」 「これから歩く稜線が見える」

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「とても良い林」 「これから歩く稜線と三室山」

 さあ、いよいよ最後の登り約300mである。
 ほぼ西に向かって約140m登り、その後は南に向けて少し下った後約190mほど登り返す。最後の最後に一番辛い登りが待っていた。
 鞍部からの登り返しの斜面は笹に覆われているようだ。しかも青くて太い笹だ。幸いなことに笹は起きているが、残雪で抑えれれているところもあるので難なく通過できる。雪がなければ激藪だ。
 二人ともヘロヘロになりながらターニングポイントに到着。終点三室山はすぐそこ。すぐそこなんだけど遠く感じる。160mなんだけどとても高く感じる・・・
 最後の力を振り絞って、雪で覆われた斜面を登り返す。なんと急な斜面だろう・・・
 足が思うように進まない・・・
 喘いで喘いで、水平距離約1km、登り約190mに40分もかかってようやく三室山頂上に到着。時刻は15時40分。
 こんなに遅い時間に頂上にいることは久しぶりだ。
 周りの景色を眺め、三室高原に向けて下山する。ここからはOAPさんのお庭だ。
 三室高原林道に16時35分到着。JMMさんのお迎えの車が待っててくれており、JMMさんの顔を見たら元気が戻った。


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「氷ノ山が遠望できた」 「三室山北側の笹の状況」

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「三室山頂上(1358.0m)」 「JMMさんのお迎え」

 今日、歩いた距離15.5km。
 今日、歩いた時間8時間。
 このルートはもう歩くことはないだろう・・・
 西側から間近に見た赤谷の頭(落折山)をもう見ることもないし、三室山の北斜面を見ることもないだろう・・・
 まだ一年が始まったばかりだけれど、今年一番のメインイベントになるかもしれない。
 今日歩いたトラックです。


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