栂池から白馬三山縦走 (第3日目)

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鑓温泉にて

山行日程 2008年8月2日(土)〜4日(月)
天  候 1日目:晴れ 2日目:快晴 3日目:雨のち曇り

 良く眠っていた夜半・・・
 「お父さん!鼻血でた!」の声に起こされる。由李子は良く鼻血を出します。でも、こんなときにと思っても仕方が有りません。
 鼻をつまんでぐっと堪えている由李子にトイレットペーパーを渡し、ゴミ袋を広げて待ち構えます。しばらくしたら収まったようで、テントを出て水場に向かいました。顔を拭いてやり空を見上げると星が見えています。「天気予報ははずれかな?」と思いながらテントにもどり再び眠りにつきました。
 「パラパラ・・・ぱらぱら・・・」とフライシートを叩く音。雨が降ってきました。「バタバタ・・・ばたばた・・・」風も出てきました。明日は大変な撤収になるのを覚悟して。再び眠りにつきました。
 4時30分に起床すると雨は依然として降っています。強く降ったり弱く降ったりと周期的に変わっています。
 今日の予定は不帰嶮から八方尾根の予定でしたが、この天候で鎖場、梯子、岩場に突入するのは危険ですので、登山計画書に記載した「雨天の場合は鑓温泉経由で猿倉に下山」と決定。時間もたっぷり有るので由李子をゆっくり寝かせてやることにしました。
 6時にテント撤収開始。少し時間が掛かりましたが、由李子も手伝ってくれたので案外早く撤収できました。軽い食事を取り7時6分に天狗山荘を出発。
 天狗山荘からの登山道にはおびただしい水が流れており、まるで沢のようです。
 合羽のフードを被っているし雨が合羽を叩く音で由李子の声が良く聞き取れません。耳を澄ましながら歩いていると、「ゴロゴロ・・・」とかすかな音。「お父さん雷?」「どうかなぁ・・・違うんじゃないかな?」。こんな朝早くから雷がするはずもないと思い歩いていると、「ゴロゴロゴロ!!!」「由李ちゃん、小屋に戻るぞ!!!」。わずか5分ほどの時間でしたが、とても長く感じられ生きた心地がしませんでした。
 小屋に戻って様子見です。戻ったとたん雨脚が強まってきました。
 1時間ほど様子を見ていると、雷も落ち着き雨脚も弱まってきました。
 再び出発しようとしたところ、小屋の人が「鑓温泉の下部で崩落があり通行止めだそうです」
 天狗山荘で停滞するよりも、鑓温泉で停滞するほうが良いと判断し8時15分に再び出発です。
 こんな天気での稜線歩きは本当に怖いものです。大出原への分岐まで20分ですがとても長く感じました。この分岐を下ってしまえばもう安心です。

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「天狗山荘を再び出発」 「雨とガスの中を歩く」 「大出原分岐に到着」

 ここからのルートは一度歩いており、安心です。大出原まではしばらく急な下り坂ですが、道は明瞭で、濡れた石や浮石に気を付けて歩けば問題ありません。
 雨とガスの中、昔歩いたことを由李子と話しながら下山するのもなかなかのものです。
 分岐から22分で大出原に到着。本来ならば壮大なお花畑が広がっているのですがガスで良く見えません。でも近くの花は美しく心を和ませてくれます。ここに来て雨も小降りになってきました。
 ここから鑓温泉まではコースタイムで1時間30分で、結構歩かなければなりません。しかも、梯子と鎖場が待っています。
 大出原から1時間ほど下るといよいよ鎖場です。一枚岩を下るのですが、濡れているのでとても良く滑ります。右側に滑ると止まりそうもなく、由李子に安全ベルトとザイルを結び慎重に通過。後は温泉を目指すだけです。しかし、ここから鑓温泉までの登山道も斜面をトラバースするルートなので右側は切れており、落ちると×です。
 稜線分岐から1時間50分で鑓温泉に到着です。

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「大出原に到着」 「お花畑で」 「鑓温泉に到着」

 崩落による通行止めのことを確認すると、通行止めではなくて長野県警山岳救助隊の方が安全を確認しながら通行させているとの事で、通行止めではなく下山できることが判りました。
 せっかくですから温泉につかりました。6年ぶりの温泉です。
 温泉からあがって昼食の準備をしていると山岳救助隊の方が小屋に戻ってこられました。状況を聞きますが程度が判りません。由李子を連れているので無理は禁物。話を聞くと1時に下山されるということなので、同行させていただきたいと申し出ると快諾してくださり、心強いガイド?です。
 出発まで十分時間が有るのでゆっくりと食事をして体を休めました。
 予定より少し遅れて出発。親切な方で、由李子のことを気遣いながら先導してくださいました。いよいよ落石沢の崩落現場に到着すると色々と説明してくださり、とても良いガイドさんでした。
 崩落現場を通過すると隊員の方は無線で状況を報告されるらしく、これから先に危険場所はないのでここでガイドさんとお別れし、先を急ぎました。

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「鑓温泉下部の雪渓をトラバース」 「落石沢の崩落」 「一休み」

 雨も上がりガスも徐々に晴れてきました。ここからの下山道にも結構花があります。小日向のコルにはニッコウキスゲの群落があり、とても楽しみです。
 花を楽しみながら下山し、小日向のコルに15時15分に到着。猿倉への下山予定時刻は16時45分ごろで、最終バスには間に合わないので久保田荘に電話をして迎えに来てもらうことにしました。
 由李子は元気です。どんどん進んでいきます。少々疲れ気味の私は「待ってくれ!」を連発。この調子で景色のない下山道をひたすら歩き予定よりも早く16時30分、猿倉に到着。

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「小日向のコルに到着
後は大きく成長したミズバショウ」
「立派なブナ」 「猿倉に到着」

 今年の由李子との夏山が無事終わりました・・・
 天候に恵まれた2日間はとても嬉しかった!
 最終日、天気が悪く予定変更、雷、崩落とハプニングがあり残念でしたが、「今回も良い山だったね!」と言ってくれた由李子の言葉が何より嬉しかった。
 さ〜て、来年はどのルートにするかなぁ!!!

 今日見た花たち。

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「ミヤマキンポウゲ」 「ニッコウキスゲ」 「キヌガサソウ」

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