新穂高温泉から七倉ダムまで裏銀座縦走(第3日目最終日)

写真
                  紅葉始まる烏帽子岳

山 行 日 程 2009年9月19日(土)〜22日(火)
レポート内容 9月22日(火)
天   候 曇りでガス

 昨日は思いがけないお出迎えで楽しい時間が過ごせました。
 今日は船窪小屋でテントを張る予定です。mkさんkokoさんご夫妻は本日ブナ立尾根を下山され帰阪されます。
 今日の行程は7時間25分なのでゆっくりと出発する予定でしたが、案外目が早く覚めたので出発を早めることにしました。テントの中でパッキングしているとフライシートがパラパラと音を立てています。「雨かな?」外を見ると雲が立ち込めています。
 軽い朝食をとってテントを撤収し出発です。いつもなら味気ない出発ですがmkさんkokoさんに見送ってもらえてとても嬉しかった。
 出発は6時10分。取りあえず小屋に寄って天気予報を確認すると、今日の天気は曇り。降水確率は30/20%となっている。この降水確率は平地の話だから今日はパラ付くだろう。
 小屋前を6時20分に出発です。
 小屋を出発すると自然林の登山道に入るがここでは葉が色付き始めています。昨日の縦走路から東沢谷を見ているとナナカマドやウラシマツツジが見事に赤くなっているのが綺麗だったが、ここの色もとても良い感じになり始めている。
 少し歩くと樹林帯から抜けて前方にニセ烏帽子が見えてきました。この山ももうすぐ見事な紅葉になるだろう。
 ニセ烏帽子手前で東を見るとこれから歩く稜線が見えている。船窪小屋はとても遠く見える。

写真 写真
「二人に別れを告げる」 「前方にニセ烏帽子」

写真
「左に不動岳、正面に船窪小屋、七倉ダム、右のピークは唐沢岳」

 ニセ烏帽子を越えると正面に烏帽子岳が目に飛び込んで来ましたました。オベリスクの裾には紅葉が始まっていてとても美しい山です。
 ニセ烏帽子を過ぎて250mほど歩くと烏帽子岳への分岐に到着、烏帽子岳は縦走路の途中には無く「行って来い」となっており、縦走する殆どの人が分岐の標識にザックをデポして往復しているそうです。
 ザックを降ろす前に烏帽子岳方向を見ると西からにわかにガスが出てきており、往復に30分ほどかかるのでガスが霧雨になるかもしれないと思いザックを持っていくことにする。

写真
「ニセ烏帽子から烏帽子岳」

 少し砂地のルートを歩くと低木の中の道を登っていくようになり、突き当たるとフェースに面する。鎖が取り付けられているのでここでザックをデポして空身で登ることにします。
 夫婦で登っている方が先行されているのでしばらく待機する。多くの人がここに集中したらとてもじゃないが相当待機させられることだろう。
 まずは鎖を使って垂直に7〜8m登る。そして少し右に進んで少し岩を上がると今度は鎖が張ってあるところを真横にトラバースする。足元は岩なのでしっかりしており全く問題ない。その後細いところを抜けると上に向かって2mほど登るとちょっとしたテラスになる。その先に人が一人しか立てない隙間のピークがありました。

写真 写真 写真
「まずは垂直に登る」 「ほぼ垂直な壁をトラバース」 「トラバースの先は細い道」

写真 写真 写真
「細い道のあとちょっとした鎖」 「登りきるとオベリスクのてっぺん」 「隙間は一人で精一杯」

 人一人しか入れない隙間の向こうはガスに包まれた立山連峰でした。
 にわかにガスが流れてきました。急いで下山に掛かります。ザックをデポしているところまで戻ると霧雨が降ってきました。合羽を着てザックカバーを付けます。やはり持って来て正解でした。
 分岐まで戻りいよいよ船窪目指して出発です。
 分岐から10分ほど歩くと烏帽子田圃という場所にやってきました。ここにはいくつかの池沼があります。そして黄金色の草原が広がっており、烏帽子岳の斜面には綺麗な紅葉になっていました。

写真 写真
「四十八池とガスの烏帽子岳」 「綺麗な紅葉」

 綺麗な草原を歩きいよいよ南沢岳への登りになりました。地図では西側(左側)の斜面を登るようになっていますが崩落が激しいようで通行止めとなっています。右に新しいルートが作られておりそちらに進みますが、松を切った急な斜面で濡れているので滑りやすくなっています。しばらく登るとナナカマドが綺麗に色付いていました。
 景色の無い登りを登りきると緩やかな砂地の斜面になり、その後しばらく水平な尾根を歩いていると三角点がポツンと立っているのが目に入りました。南沢岳に到着です。時刻は8時30分。残念ながらガスで眺望はありませんでした。

写真 写真
「綺麗に紅葉したナナカマド」 「南沢岳(2625.3m)に到着」

 烏帽子小屋から歩いてきて感じたことは、烏帽子小屋から北はもうアルプスという感じではなくなり落ち着いた高山という感じになってきたということです。というのも、木々が増えてきて紅葉が見れるし、先ほどの四十八池などもその理由です。
 さぁ、先を急ぎましょう。次に目指すのは不動岳です。
 荒沢岳に到着する前からガスに包まれ、時々晴れるもののスッキリとすることは無く眺望が楽しめないのは残念ですが、西側の斜面には木々が豊富になってきて所々に赤く紅葉が見れるようになったのは心を和ませてくれました。
 南沢岳を過ぎますと右の斜面は落ちれば100m以上滑落するような砂にまみれた崩落斜面となっており、覗き込むと吸い込まれそうです。

写真 写真
「右側は崩落で切れている」 「右下を見るとこんな感じ」

 南沢乗越を過ぎると不動岳への登りとなりルートは左斜面を巻いています。登りながら振り返ると綺麗な紅葉です。
 急な斜面を登りきり斜面が穏やかになったところで「カチャンカチャン」とコヘルがぶつかる音がしています。誰かチャージしているのかと思いながら歩いていると前方から若い単独の男性が手元でコヘルを叩きながら歩いてきます。彼が言うには不動岳の手前でツキノワグマにばったり出会ったとか。それも20mも距離は離れていなかったと言う。熊は不動沢側から上がってきたらしく熊はびっくりして走って逃げたそうです。それで、コヘルを使って熊除けをしていたそうです。(このとき私は畳平での熊騒動を知りませんでした)
 その後しばらく登ると前方に人が立っています。どうも不動岳のピークのようです。左眼下には黒部ダムのしっぽが見えました。緩やかな尾根を歩いて不動岳に到着。時刻は丁度10時。

写真 写真
「振り返ると綺麗な紅葉」 「左に黒部ダム右端が不動岳」

 頂上から北側の斜面の黄葉を楽しんだあと出発します。次は船窪岳、コースタイムで3時間弱です。
 不動岳を下っていくとウラシマツツジが見事に赤く染まっていました。
 いよいよ森林限界より高度が低くなったようで林の中のルートに入りました。木々が色付き始めてとても綺麗です。

写真 写真
「綺麗に染まったウラシマツツジ」 「樹林帯のルートは落ち着いていて雰囲気が良かった」

 左は森林、右は崩落という状態の尾根を辿りながら歩き、崩落に沿ったところに出ると景色が見えないかと期待しますが残念ながらガスが低く立ち込めていて山並みは見えません。でも、眼下には高瀬ダムを見ることが出来ました。

写真 写真
「歩いてきた尾根を振り返る」 「眼下に高瀬ダム」

 樹林帯の中を歩いていると黄色い標識が見えました。船窪第2ピークに到着です。標高は2459mと記してあり、地図上でもポイントが記してあります。時刻は12時30分先を急ぎましょう。
 船窪岳は第2ピークから東に900mほど進んだところにあります。でも最初に400mの水平距離で標高差で240mを下ったり、下ったかと思うとそこからナイフリッジやロープや梯子があったりと、わずか900mの間ですが危険箇所が凝縮されたルートだったため、その900mを進むのに何と45分もかかって船窪岳に到着です。
 頂上から振り返るとナイフリッジが良く見えました。

写真 写真
「結構高さのあるロープ場」 「こんなところも」
(このナイフリッジを船窪岳から見れば↓)

写真 写真
「船窪岳に到着」 「ナイフリッジが良く見える」

 時刻はすでに13時15分、先を急ぎます。
 船窪岳から船窪乗越に下っていきますが、尾根伝いのルートは閉鎖されていて左側斜面に松が切り払われて新しいルートができていました。どんどん下って船窪乗越に到着です。ここを左に下れば針ノ木谷に降り登り返せば針ノ木小屋です。
 船窪乗越からの登り返しはとてもきつく、もう少し登ればテント場があるはずです。
 ちょっとした梯子を数回上っていくとひょっこり工事現場にあるようなトイレが目に飛び込んできました。「?」と思っているとそうそこが船窪のテント場だったのです。女性が一人テントを張っている最中でした。右を見ると5mほど下に広い場所があり15張くらいは張れそうな広さです。水場はそこから200m下ったところと書いてあります。
 良く見ると看板が立ててあり小屋まで200m、必ず小屋で手続きしてくださいと書いてあります。ここでテントを張ってビールを買出しに行くのはとてもじゃないがやりたくない・・・
 天気は回復する見込みなし。明日の朝雨の中テントを撤収するのも大変なので小屋に素泊まりしようかとも考えましたが、明日雨の中針ノ木に向っても景色は望めないのでいっそのこと七倉尾根を下山することにしました。
 これで船窪小屋から扇沢までの朱線は引けなくなり、新穂高温泉から白馬までのルート接続はお預けです。
 テント場から緩やかな斜面を登っていくと七倉岳への分岐がありそこを先に進むと眼下に小屋が見えました。小屋からはにぎやかな声が聞こえています。
 小屋には14時20分に到着。やっと燃料の補給です。

写真 写真
「船窪小屋が見えた」 「船窪小屋の有名な鐘」

 小屋から七倉ダムまでのコースタイムは4時間で、到着予定は18時20分。その時刻では暗くなっているでしょうし、タクシーも恐らく無くなってしまっているので急いで下山します。
 小屋から天狗の庭まではとても良い紅葉が楽しめ、天狗の庭からは高瀬ダムの堰堤が綺麗に見えました。

写真 写真
「紅葉の登山道」 「天狗の庭から高瀬ダム」

 天狗の庭を過ぎると七倉尾根は松林の尾根となります。とても良い松林で足もどんどん進んで行きます。途中急な斜面があり、ブナ立尾根は「胸付八丁」ですがここは「鼻付八丁」と標識が書いてありました。
 この尾根は石楠花の木が沢山あり登山道の両脇は石楠花の木々に包まれています。石楠花が満開のときはどんなに綺麗だろうと思いました。
 順調に下って七倉ダムに17時20分に到着、予定より1時間早く下山できました。

写真 写真
「石楠花に包まれた登山道」 「山の神トンネル」

 このあと白馬の久保田荘で美味しいものを頂いてゆっくりと寛ぎました。
 案の定夜半から雨になり翌日は終日雨。でも次の日は綺麗な後立山を見ることが出来ました。

写真 写真

Home

メイル