モルゲンロートの黒部五郎岳

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レポート内容 2010年8月7日(土)
天    候 晴れ
同  行  者 由李子

 今日の行程は、黒部五郎岳をピストンした後、三俣蓮華岳、双六岳を辿り双六小屋までです。歩行時間は黒部五郎往復が4時間30分、黒部五郎小屋から双六小屋まで4時間20分の合計8時間50分の予定です。途中、三俣蓮華岳と双六岳の間でOAPさん、やまそさんと無線交信する予定です。
 深夜、トイレに行きたくなって外に出た私は今日も満天の星を見ることができました。明日の天気も申し分なさそうです。が、ガスはどうでしょうか?
 再び床につき朝4時に起床、由李子も起こします。理由は、無線交信するため12時には三俣蓮華岳まで行く必要があるからです。
 あたりが薄暗い中、5時出発を目標に準備を整えます。今日は黒部五郎岳をピストンしますから、必要なものだけをBora30に入れて持ち、由李子は空身で登らせます。
 軽い朝食をとって4時58分に小屋を出発。コースはカールコースで登って尾根コースで下る反時計回りルートです。まだ日は差していませんが、登山道ははっきり見えますので安全です。
 しばらくダケカンバの樹林帯を穏やかに登って行きます。その樹林帯を抜けるころ正面にモルゲンロートの黒部五郎を見ることができました。(Topの写真)
 樹林帯から抜けると朝日に輝く黒部五郎岳が目に入ってきました。すでにモルゲンロートは終わり太陽の光で白く見えています。

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「黒部五郎岳を目指して出発!」 「黒部五郎岳の全容が見えてきた」

 カールから流れてくる沢の水で喉を潤すととても美味しい!
 しばらく登って行くと再び樹林帯に入ります。ここは熊イチゴが豊富なルートで、一昨年の秋には沢山の熟れた実がたわわにぶら下がっていたので、手一杯に乗せてカールの水で冷やして口に頬張りました。今は時期ではありません。
 この樹林帯を抜けるといよいよカールです。
 小屋から40分でカールに到着、天気は申し分なくカール全体を見渡すことができます。

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「樹林帯を抜ければカールだ」
(由李子はダケカンバに頭をぶつける)
「黒部五郎岳が朝日に映えている」

 早朝のカールはひんやりしていて気持ちが良く、汗かきの私にはとても助かります。そして水も美味しい!
 一昨年、私は雷岩を見落としてしまっていました。ですから、今回はぜひ雷岩を見たいと思い由李子に「雷岩の標識を見落とさないでね」とお願いしました。
 カールを眺めながら岩のゴロゴロしたルートを歩きますが、雷岩の標識はありそうもありません。周りを見渡せば、明らかに目立つ大きな岩が目に入ってきました。見れば、踏み跡があります。近くまで行ってみましょう。
 由李子に先を行かせていると立ち止まってしまいました。どうも踏み跡はなくなり、その先は草花が生茂っていて「踏んじゃうからもう進めない!」と由李子がいいます。そこでとりあえず写真撮影。
 ルートに戻ってしばらく緩やかな登山道を登りながら振り返ると、「あの岩割れてる!」と由李子。やはり雷岩でした。

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「雷岩かな?」 「岩が真っ二つ!」

 この後頂上を見上げながらゆっくりとカールを歩き北の尾根の斜面の登りにやってきました。ここからつづら折れの登山道を登り稜線に出ます。この急な登りを登り終えてしまえば黒部五郎岳頂上はすぐそこです。
 空身の由李子はどんどん登って行きます。斜面は草付ですが登山道は岩やザレた道ですので結構登りにくくなっています。しばらく登るとつづら折れは終わり、トラバースするように一直線で尾根に登って行きます。
 15分ほど登り続けて稜線に出ました。正面には北ノ俣岳がはっきりと見えていますが、その右の薬師岳はガスを被ってしまっています。 

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「黒部五郎岳の頂上を見ながらカールを歩く」

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「稜線目指してゴロゴロ登山道を登る」 「稜線から北ノ俣岳を見る」

 しばらく岩の稜線を歩くと薬師岳方面に向かう分岐に到着。ザックがデポしてあり、この人たちは薬師岳方面に行くのでしょう。
 さあ、いよいよ頂上に向けてあと少しです。名前のとおり岩がゴロゴロしている最後の登りを登りきり、6時50分に黒部五郎岳頂上に到着です。小屋から2時間で登りました。
 東を見れば、さっきまでガスを被っていた薬師岳が綺麗に見えています。また、南を見れば笠ヶ岳が見えています。西方向は完全な雲海、東は、ガスで槍穂高連峰は見えません。
 今日も由李子はネクター、私はビールで乾杯です。

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「薬師岳への分岐に到着」 「薬師岳をバックに」

 登りで貯えた時間を使ってゆっくりと景色を眺めながら朝食をとります。
 貯えた30分の貯金を使い果たしていよいよ下山に取り掛かります。下山は尾根コースです。
 尾根コースは穏やかなルートで、特に難しいといった場所もありません。ルートも明確なので、コースタイムは2時間30分となっていますが、結構早く降りることができます。
 最初は岩場の下りですが、しばらくするとハイマツの尾根となります。左にカールを俯瞰しながら降りて行きます。

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「笠ヶ岳を見ながら下山」 「下山する稜線が一目」

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「稜線から見る雄大な黒部五郎岳と美しいカール」

 稜線を下りながら景色を堪能し、標高2500mまで下ると穏やかだった稜線は少し急になりダケカンバの林に入ります。林に入ってしばらく下っていると眼下に私たちのテントが見えてきました。
 順調に下って9時調度に天場に到着です。所要時間は1時間30分でした。
 天場に残っているテントは我々を含めて二張りのみ。昨夜は10数張りありましたがほとんど撤収しています。
 ゆっくりしている暇はありません。急いで撤収です。

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「眼下に天場が見えた」 「天場に到着」

 喉が渇いたのでビールを飲みながら撤収したためか、結構手まずって時間が掛かってしまいした。準備を整えて10時に出発です。
 ここから三俣蓮華岳までは2時間20分の予定です。が、重いザックを背負っての三俣蓮華岳への登り返しは結構きついものがあります。さて、無線に間に合うでしょうか?
 小屋を出るといきなりの大きな石がゴロゴロした登山道です。由李子はペース良くドンドン登って行き、私はどんどん遅れて行きます。「待って〜」を連発しながら厳しい登りを登り続けます。
 20分間この急な登りを頑張って穏やかな稜線に出ました。でも、三俣蓮華岳はまだまだです。振り返るとカールにガスが沸いてきて黒部五郎岳の勇姿ももう少しで見れなくなってしまいそうです。

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「きつい登りを耐えながら・・・」 「黒部五郎の勇姿を目に焼き付ける」

 穏やかになった稜線を黒部乗越に向かいます。右側の九郎右衛門谷からガスがどんどん沸いてきて結構涼しいですが、振り返れば黒部五郎岳は見えなくなってしまいました。
 来たルートを戻るのは結構早く感じるもので、黒部乗越に11時3分に到着。三俣蓮華岳まであと40分ほど登らなければなりませんが、休むと辛いので一気に向かいます。
 由李子が結構がんばってくれたので、三俣蓮華岳に11時33分に到着。なんと予定よりも40分短縮できました。
 ここで、赤谷山移動のOAPさんと無線交信する12時まで待機して昼食をとることにします。
 頂上からは飛騨沢からのガスに何とか掛かっていない槍ヶ岳を見ることができました。これには由李子もうれしそう。由李子はネクター、私はビールで再び乾杯です。

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「裏銀座を眺めながら歩く」 「三俣蓮華岳に戻ってきました」

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「ネクターでのどを潤す」 「飛騨沢からのガスで槍は今ひとつ・・・」

 お昼ごはんを作っていたら「お父さん、OAPさんが呼んでる!」と由李子の声。あわててリグを取って返信するとOAPさんの声が飛び込んできました。まだ赤谷山の頂上ではなく、暑いので少し下のところでチャージ中とのこと。少し話して後で交信することにしましたが、この後、西側に厚いガスが発生し、電波が拡散してうまく交信することが出来ませんでした。でも、少しだけでしたが話すことが出来て十分満足です。なんといっても、直線距離で303Kmですから。あとは、やまあそさんとの交信でしたが、私のために八木アンテナを日名倉山まで持ってあがっていただいたそうですが、不調で使えなかったそうです。残念! でも、一昨年は双六岳の私と、奥段ヶ峰で繋がりましたからね。
 無線も出来たし、景色を眺めながらゆっくり出来たし、双六小屋に向かうことにします。
 見たかった槍ヶ岳も三俣蓮華岳に到着したときは見えていましたが、だんだんと見えなくなってしまいました。八木アンテナを手に持って歩いていると、栃木県男体山の局長さんと59で交信、いかに天候が影響するのかが良く分りました。
 順調に尾根を歩いて13時53分に双六岳頂上に戻ってきました。残念ながら槍ヶ岳は見えません。でも、三俣蓮華岳でほんの少しですが槍ヶ岳を見ることが出来て由李子が喜んでくれたのでとても満足です。
 いよいよ双六小屋に下山です。

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「双六岳に戻ってきました」 「今回は満足な槍ヶ岳を見ることは出来なかった」

 残念ながら双六岳の稜線からの槍ヶ岳を見ることが出来ませんでした。まぁ、もう一度一緒に来なさいということでしょう。
 昨日登った時にあった看板は無くなり夏道は開放されたようです。下っていると昨日はステップが切ってなかった雪渓にステップが切ってありました。
 順調に下って15時5分に中道分岐に到着です。
 この後双六小屋に向かっていると1機のヘリが岐阜県側から飛んできました。三俣山荘の辺りを10分ほど飛んだあと、基地に帰るのかと思いきや、私たちの頭上を通過した後Uターン。双六小屋の上をホバリングした後あっという間に飛んでいってしまいました。
 小屋には15時30分に到着。テント設営をした後ゆっくりと寛ぐ時間を過ごしました。

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「登りには無かったステップが雪渓に切ってありました」 「中道分岐に到着」

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「きっと夏山のニュースを取りに来たヘリ」 「双六小屋に到着」

 夏山の第3日目が無事終わりました。明日は新穂高温泉に下山するだけとなりました。

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