長野県小谷村 白馬乗鞍岳

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山 行 日 程 2013年4月17日(木)
天  候 晴れ
同 行 者 単独

 テレマークを始めて3シーズン目を迎えましたが、今年は例年になく結構白馬にも通いゲレンデではテレマークターンが出来るようになり、兎平も何とか下りてこれるようになりました。
 今回、八方尾根に勤めるM君主催のイベントに参加することになり、当初の計画を一週間遅らせてテレマークスキーツアーを決行しました。
 白馬周辺では定番の、「栂池自然園〜天狗原〜白馬乗鞍岳〜天狗原〜山ノ神〜白馬乗鞍スキー場」のコースです。 当初は白馬乗鞍岳は予定に入れていませんでしたが、天気が申し分なくロープウェイの始発に乗れるので何とかいけるのではないかと考えたわけです。が、初めてのルートでもあり、ちょっとルートミスしたりするとタイムアウトになりかねないギリギリの計画です。
 栂池スキー場の駐車場には8時前に到着。準備を整えチケット売り場に行くと始発は8時30分!HPで確認したら8時だったのに!やはりこの時期HPが追いついていないようです。
 8時25分にチケット発売、片道を購入し登山届を提出して出発。30分ほどかけてロープウェイ乗り場に到着です。

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「チケット売り場」 「ゴンドラから白馬三山」

 ロープウェイの始発は9時発です。
 始発に乗車した人は私を含めて6人で、下車した後ガイドからの入山注意を受けましたが、その殆どの人が天狗原往復、または白馬乗鞍岳往復の人で山ノ神経由で白馬乗鞍スキー場に下るのは私一人だけでした。
 とりあえず栂池自然園へ。と思ったのが間違いで、栂池ヒュッテの建物群が見えたときには時既に遅し。というのは夏道のルートの取り付きは尾根の斜面が急なので、ロープウェイ乗り場の北側にある尾根に取り付くかなくてはいけなかったのです。仕方なく夏道の尾根を巻いてルート修正です。

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「ロープウェイから白馬乗鞍岳」 「ルート修正して尾根の夏道」

 ルート修正して夏道の尾根に乗って進みシラビソの木がなくなると目の前は雪の斜面だけとなります。結構な角度なので、ヒールアップを使ってもアキレス腱が悲鳴を上げるのでつづら折れで登ります。しかし、天気が良すぎてとても暑く汗が吹き出ます。
 振り返ると栂池ヒュッテやビジターセンターが見えました。真冬では建物が雪ですっぽり埋まってしまうほどの積雪があるそうです。そして、目を左にやれば鹿島槍ヶ岳、五竜岳、白馬三山が一望です。

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「急斜面を登ります」 「振り返ると栂池ヒュッテが小さくなった」

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「鹿島槍ヶ岳から白馬三山」

 足元を見ながらひたすら登りふと顔を上げると正面に白馬乗鞍岳の斜面が目に入りましたが、取り付くのはまだまだ先だと思いながらまずは天狗原の祠を目指します。
 ようやく斜面が穏やかになってくると目の前に背の低いシラビソの林がピークに見えました。最初の目的地の祠はあそこです。
 ロープワイを出発して1時間30分で祠に到着。夏道から30mほど離れているので雪の時期にしかたどり着くことが出来ません。
 ここで一息つくつもりが風が強くなってきました。風はとても冷たく、避ける場所もないので休憩せずにこのまま登ることにしました。(これが後に響く)

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「祠を目指して登る」 「祠に到着」

 祠の前から白馬乗鞍岳を見上げるとなんと急な斜面でしょうか!夏であればあの斜面は安山岩の登山道を登るので急だという感覚はありませんが、今回は一面雪の斜面、さてどう登るかです。
 斜面を良く見ると先行していた若者がガチで真っ向勝負に出ています。彼はテレマークではなくヒールアップのアルペンスキーですが、真っ直ぐ登っていきます。私には出来ません。
 祠から天狗原の平坦な雪原をゆっくり歩いて徐々に傾斜になってきたところで足跡が左から右の方向へ。形は登山靴でもなくスノーシューでもない。人のものでもなさそう、近づいてみればなんと熊の足跡でした。
 徐々に斜面が急になりつづら折れに登りますが、高度を稼ぐにはそれなりに角度をつけなければなりません。しかしながら、この1ヶ月半近く全く山に登っていない体は鈍ってしまっていて登るペースが上がらずどんどん落ちてしまいました。

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「祠から白馬乗鞍岳」

 つづら折れに急斜面を登って夏道の雪渓を登った後の直登にコースを外れて穏やかな南斜面に回り込みます。
 南側の穏やかな斜面を進んで右に回りこむとケルンが目に入りました。
 ケルンの周りは岩が露出していましたが、15m近くまで板を着けたまま進めました。
 11時50分、白馬乗鞍岳(2436.7m)に到着です。しかし風がキツイ!ザックにつけたプロトレックは12度を示しています。風速を考慮すれば一桁です。
 風が強いので景色を楽しむ余裕もありません。というか、ここからは山はあまり見えません。折角なので白馬大池の小屋を見に行って見ました。

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「ケルンが目に入った」 「白馬乗鞍岳に到着」

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「左の斜面は雷鳥坂。小屋は切妻屋根のラインが一筋見えるだけ」

 ケルンに戻るとちょうどお昼の時刻も半ば過ぎていますが、風が強く食事をするのは無理なので、持って上がってきたパウチのフルーツミックスの缶詰をとり合えずお腹に入れました。
 さて、山ノ神に向けて出発です。
 まずはシールを剥がさなければなりません。しかし風がとても強いのでシールや袋などが飛ばされそうになるし、素手で作業するので雪に濡れて風にさらされて痛くなるしで大変でした。シールを収めても暫く手が痛くて出発できないくらい冷えてしまいました。
 気を取り直して出発です。
 まずは、雪のない次期には立つ事が出来ない場所から後立山連峰を見るために先ほど登ってきた斜面の東側に進みます。目に入ってきた後立山はとても大きく綺麗に見えました。

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「まだまだ冬山の後立山連峰」

 ここからは滑って降りるので楽チンです。
 さぁ滑走と思って滑り出したところ、数ターンしたところで足に異変が!!!なんと左太腿の内側が痙攣してしまいました。エネルギー不足に加え、水分もまったく取っていなかったのでここに来て影響が出てしまいました。
 雪原に寝転がって痙攣を治めた後、水を400ccほど一気に飲み干して暫く足を休めることにしました。ほんの数分休憩すると完全ではありませんが良くなったので再び出発です。
 穏やかな斜面を下り終えて登ってきた急斜面になりました。足は大丈夫?痙攣は来そうにないので思い切ってターンを重ねますが、やはり足の疲労は大きく、2度ほどこけてしまいました。
 これから進むルートを確認しながら天狗原まで戻ってきましたが、時刻は既に13時近くになっています。15時30分を下山目標時刻としていましたが、大丈夫か不安がよぎります。やはり白馬乗鞍岳は止めとくべきだったのか・・・
 振り返れば午前は綺麗だった斜面にシュプールがついています。

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「山を眺めながら休憩」
(左に頚城三山、中央に乙妻山と高妻山)
「斜面に幾筋ものシュプール」

 これからのルートは殆どが下りの尾根ですが、少し登り返す場所もありますのでシールを着けるかどうかはそのときに判断することにして山ノ神向けて進みます。
 天狗原を抜けてちょっとしたピークを乗り越えるとこれから進む尾根がはっきり見えています。
 実は、国土地理院の地図を用意していたのに久保田荘に置き忘れてしまい頼りになるのはGPSだけ。しかし液晶が小さいので自分の所在地を確認する事は殆ど不可能です。参考に見たHPの記憶を頼りに登山道(廃道に違いないが)をトレースしながら進みます。
 天狗原から30分ほど進むと大きなシラビソの木に白馬乗鞍スキー場に導く標識を見つけてホッとしました。そういえば、氷ノ山の殿下コースにもありましたね。

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「一本道の尾根」 「標識を見つける」

 下るに連れて風も弱くなってきたので、持って上がってきたおにぎりをお腹に入れて暫く休憩です。
 休憩を終えて少し進むと真っ白なバーンが目の前に!気持ちよく滑っていきます。これこそバックカントリーの楽しみです。厳冬期のふかふかのバックカントリーではありませんが、雪崩の危険を避けてのバックカントリーは安全で安心です。
 シラビソの林を抜けたり、ちょっとした登りを歩いたりしながら山ノ神に到着。標識などはありませんがGPSのお陰で到着することが出来ました。
 でも、時刻は14時になろうとしています。後どれくらい掛かるのかと思ってしまいます。 

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「一本のシュプール」 「山ノ神に到着」

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「山ノ神から」

 山ノ神を出発して尾根を滑っている右の斜面の木に標識を見付けたのでそれに従って尾根から外れて下っていきます。
 これからな穏やかな斜面のぶなの林の中を軽快に滑って下っていきます。しかし方向を誤ってはいけないので気を抜く事は出来ません。

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「ぶなの林を滑って抜ける」

 標識に注意して下っていたはずが、ある場所から標識がなくなってしまいました。迷いやすい場所にあった標識は尾根を越えるべきだったようですが、その尾根の先に目が向かず右の斜面の先に谷の底部が見えたので、ルートと思い違いをしてしまい黒川沢に入り込んでしまったようです。ロープウェイを降りた後でガイドがルートを私に尋ねたとき、黒川沢ですか?と聞いてきたのを覚えていたのでこの沢でも下山できるのが確認できたのでそのまま下ります。あとは雪が沢を覆っているかどうかです。
 沢を中心にして左岸と右岸を交互にターンしながら順調に下っていくと目の先に黒い部分が見えました。クレバスといえば大袈裟ですが大きく口を開けています。ここに堕ちれば一巻の終わり、助かりません。傾斜のゆるい右岸の斜面をエッジを立てて通過します。
 崩落した土砂が斜面を覆っているところなどもありましたが順調に下って行きます。

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「口を開け雪融け水が」 「黒川沢を振り返る」

 終点である砂防堰堤はまだかと思いながら下っていると左の支流と合流。こちらが本来下る谷で、見ればこちらの谷のほうが積雪もしっかり残っていて安全のようです。
 合流してほんの少し進むと正面に堰堤が見えてきました。砂防堰堤の上流にある大きな岩を止める堰堤です。

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「左が下った谷、右が本来の谷」

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「堰堤が見えた」 「堰堤を抜けて」

 堰堤を潜って今回の山スキーが終わりました。時刻は15時。
 雪融け水が轟々と流れる沢を飛石を探して渡って林道を歩き白馬乗鞍スキー場に到着です。
 スキー場を抜けたあとは栂池まで徒歩で50分かけて駐車地に到着。

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「飛石を探して沢を渡る」 「白馬乗鞍スキー場に到着」

 初コースで単独でしたが、とても良い一日でした。



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